はじめに


 我が国においては、1959年(昭和34年)からメートル単位系の使用が計量法で義務付けられ、尺貫法からメートル単位系に変わりました,これは、l960年の第11回国際度量衡総会において、世界共通の実用的な計量単位として国際単位系[略称を″SI″(エスアイと読む)といいます。]を使用することが決議されることに対応した国際化への措置でした。

 世界各国のSI化は、メートル単位系の提唱国でありましたフランスはもとより、ヨーロッパ諸国において、EC統合に合わせて多くの国で実施され、近隣のアジア−太平洋地域においても積極的にSIが計量単位として導入されました。古くからのヤード−ホンド単位系使用国のアメリカにおいても、積極的なSI化が推進されつつあります。
 現在使用中の日本のメートル単位系には、重力単位系が多く含まれており、SI化においては重力単位系を排除して、一量一単位を理想とする絶対単位系に統一することが狙いです。そのため、国際的協調関係の中にあって、これまでの計量法をl992年(平成4年)に大改正し、国際的に合意されたSI単位を全面的に採用し、新計量法(法律名は現在も計量法)として公布されるに至りました。

 これに伴って、種々の法律、せい政省令で使用してきました単位のSI化も鋭意進められているところです。今世紀が終了する前には完全にSI化することを目指して、国、団体、企業などが計画的な切り替えを進めています。

 一方、生産設備を含む計量器の切替えには多くの費用がかかり、切替えの難易度もあり、そのためにいくつかの単位については移行の猶予期限が設けられて、最終年の猶予期限を目標にSI化が実施されつつあります。中でも産業分野で多く使用されてきました重力単位系をSI化することは、計画的な準備を行わないと、最終猶予期限(l999年9月30日)の前に支障をきたしかねない状況が考えられます。

 この小冊子は、来る7年の最終猶予期間を目前に控えて、すでに産業界でSI化を計画的に推進している先進団体、企業の実情を参考に、法定計量単位がどのように変わるのか、どのようにSI化するのか、どのような単位が問題かなどについて、SI単位等普及推進委員会で検討を行い、その結果を小冊子に編集しました。

 この小冊子が国際化する産業活動の中での新しい法定計量単位の採用やSI化について、ご理解と移行の手助けになれは幸いですまた、新計量法やSI化に間関する疑問点は、巻末に記載の新計量法相談窓口にご相談くださるか、参考文献・規格をご覧になることを推奨いたします。
 最後に、この小冊子の執筆と審議にご尽力をいただきましたSI単位等普及推進委員会の委員各位に、この場をお借りして厚く御礼を申し上げます。

平成11年2月吉日

         SI単位等普及推進委員会 
 
    委員長 桑 田 浩 志